人間は危機に瀕したときほど品性が見えるものだ。自らの命の危険を顧みず、他人の命を救おうとする行為はとりわけ廉潔で称賛に値する。ポーランドに関わる人物では、オスカー・シンドラーや杉原千畝が思い浮かぶ。 続きを読む 『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』:ワルシャワ動物園の知られざる実話
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Interview:『イレブン・ミニッツ』イエジー・スコリモフスキ(Jerzy Skolimowski)監督
役を得るためにセクハラまがいの監督に会いに行く女優と、彼女を引き留める嫉妬深い夫。若い娘を相手に問題を起こし、刑務所から出所したばかりの父親と、結婚間近の薬物中毒の息子。質屋強盗をもくろみ、失敗した少年。川沿いで絵を描く老人。その多くが空に目撃した、謎の黒い点の正体は……。 続きを読む Interview:『イレブン・ミニッツ』イエジー・スコリモフスキ(Jerzy Skolimowski)監督
『サウルの息子』:決して逃げられないアウシュヴィッツの狂気
ナチスドイツの収容所には、囚人によって構成される「ゾンダーコマンド」という特殊任務の部隊があった。他の囚人と引き離され、限られた範囲内での行動の自由も許されていた彼らの役目は、移送されてきたユダヤ人たちを安心してガス室に送り込むこと。 続きを読む 『サウルの息子』:決して逃げられないアウシュヴィッツの狂気
『イマジン』:目をつむり耳をすませば、見えてくる別の世界
映画の最初は、闇の中にぼやーっと白いものが見えるだけ。聞こえるのは小鳥の声と犬の荒い息。近くに道路では車が行き交う音もする。やがてピントが合ってくる。そこは白い壁に囲まれた中庭で、黒いドアの隙間に犬が鼻を突っ込んでくんくん嗅いでいる。現れた管理人がドアを開けると、サングラスをかけた若い男。「ノックをすればいいのに」と言われると、彼は盲目なのに「誰もいなかったから」と少し得意げに言う。この物語の主人公・イアンである。
Interview :『パプーシャの黒い瞳』ヨアンナ・コス=クラウゼ(Joanna Kos-Krauze)監督
書き文字を持たないジプシー社会に生まれ、詩を書くことですべてを失ったパプーシャ。ポーランドで知られるジプシーとして初の女性詩人の波乱の生涯を描いた『パプーシャの黒い瞳』が描く、激動の時代の中で翻弄され、失われていったジプシー文化とは?
続きを読む Interview :『パプーシャの黒い瞳』ヨアンナ・コス=クラウゼ(Joanna Kos-Krauze)監督
ポーランド映画の過去・現在・未来。「ポーランド映画祭2014」開催!
アンジェイ・ワイダや、ロマン・ポランスキー、クシシュトフ・キェシロフスキなど、映画界において独特の才能を生み出してきたポーランド。そんな「ポーランド映画」の傑作や隠れた名作を紹介してきた「ポーランド映画祭」が、今年も開催される。
『イーダ』:ポーランドの歴史に翻弄された少女が、自分を取り戻すまで
ワルシャワのフリーマーケットには、第二次世界大戦当時の軍放出品が多く見られる。マニア垂涎の軍服やらブーツやら階級章やら拳銃やらは、ほぼすべてがナチスドイツかスターリン時代のロシアのもの。犬猿の仲だった両軍が同じ台の上に並ぶ様は笑いを誘うが、同時にこの国が両軍に占領された場所であることも思い起こさせる。
イベントレポート:ポーランドについて私たちが知っている10の事柄
モニカ・フレベック(Monika Chlebek)の個展が開催中
ポーランドの作家、Monika Chlebek(モニカ・フレベック)の日本における初めての個展が、5月12日(土)〜5月24日(土)まで東京日本橋のギャラリー「YUKI-SIS」で行われている。 続きを読む モニカ・フレベック(Monika Chlebek)の個展が開催中
A・ワイダ最新作『ワレサ 連帯の男』
ポーランドの映画監督、アンジェイ・ワイダの新作『ワレサ 連帯の男』が日本全国で公開中だ。ソ連による共産主義支配の下、労働組合「連帯」を率いてポーランドの民主化を実現したレフ・ワレサ。一介の電気技師だった彼が、いかにして反体制の旗を掲げ、民衆の心を掴んでいったのか。彼の激動の半生を、家族との日々を通じて描く。