うつ病との戦いを神秘的に描く、アーティスト自身の物語

ポーランド・クラクフ出身の若手アーティストのダヴィッド・プラネタ(Dawid Planeta)。クラクフのアカデミーで工業デザインを学んだが、アートや写真に傾倒しながらも彼は心理学、神話、潜在意識の神秘的な世界を探求していく。
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生きたコラージュ<FOREIGN BODIES・異物>アネタ・グシェコフスカ、荒木経惟、エヴァ・コヤトゥコヴァ

ワルシャワのラスターギャラリーで、<FOREIGN BODIES>展が開催中。身体をまるでプラスチック素材のように必要に応じて、形成、整形し、変形し、歪ませるー現代の視覚文化。この展覧会では、様々な処置をほどこした女性の身体のイメージが展開される。
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ワルシャワの忘れられないパノラマ背景と”対話”する、ヴォイチェフ・ファンゴルの絵画

ポーランドのアーティスト、ヴォイチェフ・ファンゴル(Wojciech Fangor)の展覧会「FANGOR:Beyond the Visual Surface」がコスモポリタンのアパートの42階にて展示されている。

Paintings - icons by Wojciech Fangor photo by mat. Press releases
Paintings – icons by Wojciech Fangor photo by mat. Press releases

 ヴォイチェフ・ファンゴル(1922ー2015)は、20世紀を代表する有名なポーランドのアーティストの一人。1953年の彼のポスターデザインは、ポーランドのポスタデザインの歴史の転換点とも考えられ、“Polish School of Posters” の創設者のひとりでもある。絵画、図画、グラフィック、彫刻、空間、環境など、多くの表現方法を使って革新的な作品を制作。ポーランドだけでなく世界の芸術の先駆け者でもあり、1970年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で個展を開催した最初のポーランド人のアーティストでもある。現在、ヴォイチェフの作品はポーランドで非常に人気があり、世界市場でのアートコレクターも大きな関心を寄せているという。(昨年、彼の作品のうち4作品の価格は100万PLNを超えた)

Paintings - icons by Wojciech Fangor photo by mat. Press releases
Paintings – icons by Wojciech Fangor photo by mat. Press releases

今回の展示されるのは、すべて現代美術のプライベートコレクションーJankilevitsch Collectionから1960年代から1970年代までの多彩な抽象的な円、波、アモルファスの形で作られた絵画が集められた。ハイエンドなアパートメント・コスモポリタンの42階のフロアはユニークなギャラリースペースとして提供され、会場では360度にワルシャワのパノラマ風景が見渡せる。そこにフレームなしで提示された作品は垂直に配置され、また観客とともに、背景と空間が相互に作用する。これは、1958年にヴォイチェフは世界初の空間インスタレーション “The Study of Space”を作成ー60年前にアーティストが取り上げたこの画期的な試みからインスピレーションを得ている。

ガラスで覆われたファサードからは文化科学宮殿はもちろん、旧市街地からゾリボッシュ地区、ヴィスワ川や国立競技場までワルシャワが一望できるのも魅力的な会場。ぜひこの機会に訪れてみて。会期は5月26日から7月1日までの毎週土曜日と日曜日の午後2時から午後7時まで。(入場無料)

FANGOR:Beyond the Visual Surface

ヴォイチェフ・ファンゴル(Wojciech Fangor)
「FANGOR:Beyond the Visual Surface」

会期:2018年5月26日(土) ー 7月1日(日)
               毎週土曜・日曜日14:00-19:00   
会場 Cosmopolitan Twarda 4 http://www.apartamentycosmopolitan.pl/en/
所在地:ul. Twarda 4 , Warsaw, 00-105

 

 

コンセプチュアルな静物写真:パヴェウ・ジャック(Paweł Żak)の個展が京都で開催中!

ポーランドの現代写真家、パヴェウ・ジャック(Paweł Żak)の個展「And Other Still Lifes…」がイムラアートギャラリー(京都府・川端丸太町)にて開催中。本展は、ワルシャワ・ライカギャラリー(Leica 6×7 Gallery Warszawa)がパートナーとなり、4月14日から5月13日まで開催される「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のサテライトイベント<KG+2018>にも参加している。

And other still lifes series / Paweł Żak
And other still lifes series / Paweł Żak

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<Friend of a Friend> ギャラリーを友好的に活用する新しいかたち。 8 Warsaw contemporary art galleries

ようやく春の陽気が感じられる季節になったポーランド。美術館やギャラリーで新たな展示がはじまるなか、4月7日からワルシャワで新たな試み、ギャラリー共有プロジェクト<Friend of a Friend(FOAF)>が始まった。ワルシャワ市内の8つの主要な現代アートギャラリーが展示スペースを無料で3週間解放、チェコ共和国、フランス、ドイツ、米国、スイス、イギリスから集まったギャラリーをホストする。

Florian Auer, Untitled (detail), 2018, digital print on transparent, pvc, led lights, 1.4 x 1.3 m. Kraupa-Tuskany Zeidler Gallery(Piktogram)
Florian Auer, Untitled (detail), 2018, digital print on transparent, pvc, led lights, 1.4 x 1.3 m. Kraupa-Tuskany Zeidler Gallery(Piktogram)

 アート作品はわたしたちに新たな視点や気づきを与えてくれるが、ギャラリー運営を続けるうえでは経済的な問題もある。ワルシャワでもここ数年ギャラリーが生まれては消えていくということも少なくない。また、少しでも世に広めたくとも、小・中ギャラリー、若手アーティストにとって、国際的なアートフェアへの出展だったりというのは予算の問題が大きなネックとなる。

<Friend of a Friend(FOAF)>は、2016年からロンドンで始まったギャラリー共同展示会「Condo」からインスパアされたもの。ホストとなるギャラリーは、展覧会を共同で企画したり、ギャラリースペースを割り当てることで、海外のギャラリーとスペースを共有する。 既存のギャラリー施設、そしてスタッフのリソース等を効率よく利用することでコストの削減も可能となる。

Jean-Marie Appiou, Zebu and Nutmeg, 2018, Aluminum, blown glass dimensions variable, Jan Kaps Gallery (Foksal Gallery Foundation)

<Friend of a Friend(FOAF)>では、招待されたギャラリーは無料での参加となる。これは、ポーランドの国立文化機関「アダム・ミツキエヴィッチ・インスティチュート(IAM)」の協力によって実現されている。さらに、共同作業によって得られる実験的な展覧会により自国のアーティストと、国際的なアーティストとの対話による新たな可能性を生み出す環境を提案している。こういった試みはアーティストがワルシャワの近代美術館等のコレクションに参加する絶好の機会でもある。開催は4月28日まで。

 Friend of a Friend
2018年4月7日から28日まで。

8つの参加ギャラリーはこちら
map of foaf

BWA Warszawa 
招待ギャラリー Antoine Levi (パリ/フランス) 、Hunt Kastner (プラハ/チェコ共和国)

Foksal Gallery Foundation 
招待ギャラリー ChertLüdde (ベルリン/ドイツ) and Jan Kaps (ケルン/ドイツ)

LETO Gallery 
招待ギャラリー Dürst Britt & Mayhew (デン・ハーグ/ドイツ)

Piktogram
招待ギャラリー Future (ベルリン・メキシコ), Lomex (ニューヨーク), and SVIT (プラハ)

Dawid Radziszewski 
招待ギャラリー Lucas Hirsch (デュッセルドルフ/ドイツ)

Raster 
招待ギャラリー Bernhard (チューリッヒ/スイス) and Ermes-Ermes (ウィーン/オーストリア)

Stereo   
招待ギャラリー Crèvecoeur (パリ) and Reserves Ames (ロサンゼルス)

Wschód 
招待ギャラリー Neue Alte Brücke (フランクフルト) and Union Pacific (ロンドン)

 

20世紀初頭から現代までのポーランドデザインが集結!Gallery of Polish Design

12月15日、ワルシャワ国立美術館内に常設展示ギャラリー<Gallery of Polish Design>が新設。20世紀初頭から現在までの家具、織物、陶磁器、ガラス、家電製品などの応用芸術において最も重要で象徴的な作品とともに、人気のあるテレビやラジオのセットといった工業デザイン、子供のためのデザイン、民俗学的デザインのカテゴリーもあわせると約600点ものオブジェクトをみることができる。

Gallery of Polish Design/Photo/Muzeum Narodowe w Warszawie
Gallery of Polish Design/Photo/Muzeum Narodowe w Warszawie

常設ギャラリーでは、歴史的イベントによって区切られながら時系列で提示。19世紀初頭のクラクフのアーティスト、職人、建築家のグループークラクフ・ワークショップ(Krakow Workshops)、伝統的な技術を使ったザコパネスタイルの活動。そして第一次世界大戦によって中断後、1926年にはワルシャワの美術アカデミーの教授によって設立されたポーランドにおけるアーツ&クラフト運動としてのŁad 協同組合(Ład Artists’ Cooperative)。このŁadのスタイルは、現代性と伝統、機能的かつシンプルに、そして装飾にはフォーク要素をユニークに取り入れることで1950年代にかけて大衆に広く使われることになる。

 戦後復興期を経て1956年以降のモダニズムデザイン、そして1968年までの有機的なスタイルが特徴的なこの時代はポーランドデザインがダイナミックに飛躍する。

ポーランドの芸術界全体に広がるデザインへのさまざまなアプローチとともに現代のデザインまでの軌跡をたどることができる<Gallery of Polish Design>。今なお愛されている最高のポーランドデザインに触れることのできるギャラリー、ワルシャワに訪れた時にはぜひ訪れてみてほしい。

ワルシャワ国立美術館
Muzeum Narodowe w Warszawie(MNW)
http://www.mnw.art.pl/
所在地:Aleje Jerozolimskie 3 00-001 Warszawa
営業時間:10:00~18:00(金曜のみ10:00~21:00)
定休日:月曜日
入場料:大人15 zł

『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』:ワルシャワ動物園の知られざる実話

人間は危機に瀕したときほど品性が見えるものだ。自らの命の危険を顧みず、他人の命を救おうとする行為はとりわけ廉潔で称賛に値する。ポーランドに関わる人物では、オスカー・シンドラーや杉原千畝が思い浮かぶ。 続きを読む 『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』:ワルシャワ動物園の知られざる実話

今村遼佑「くちなしとジャスミンのあいだに」

現代美術作家の今村遼佑さんは2016年夏から1年間、ポーラ美術振興財団の助成を受けてワルシャワに滞在。滞在中は国際的に活躍するポーランド作家のミロウワフ・バウカ(Mirosław Bałka)のゼミに通いグループ展に参加したり、ワルシャワ美術アカデミーの学生とのワークショップや、Arman Galstyan Galleryで二人展を行うなどしてきた。 続きを読む 今村遼佑「くちなしとジャスミンのあいだに」

real culture in Poland