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<セレブレーション-日本ポーランド現代美術展> 京都、ポズナン、シチェチンで!

日本とポーランドの国交樹立100周年を記念して、過去最大規模となる現代美術展<セレブレーション-日本ポーランド現代美術展-(CELEBRATION -Japanese – Polish Contemporary Art Exhibition -)>が京都、ポズナン、シチェチンの三都市にて開催される。

(top image)小泉明郎《私たちは未来の死者を弔う》2019
© Meiro Koizumi Courtesy of MUJIN-TO Production

複雑な歴史を背負い、時代に翻弄されながらも、優れた芸術を生み出してきたポーランド。それらは現代の若い世代にも受け継がれ、欧州内でも独特の感性をもつポーランドのアーティストたち。現代美術、工芸、グラフィックデザイン、映画の分野などでは、世界でも高い評価を得ている。異なる文化的背景をもつ、日本とポーランドだが、本展では日本とポーランドの若手中堅作家21組が参加。ポーランドと日本に共通してみられる感性的特質、季節や時代の移ろいを敏感に感じ取り、変化する姿に「もののあわれ」を感じ愛でる美意識に焦点を当て、現代社会を鋭く切り取る作品を紹介する。

©contact Gonzo

©contact Gonzo

 プロジェクトのひとつである、両国の作家が「生きた対話」を行い、日本とポーランドの作家による共同制作も含まれているのもとても大胆な試みだ。地理的な距離やコミュニケーションの問題、そして最終的には創造的な観点の相違による制限などを乗り越え、スタフ・シュムスキと川田知志は共同でシリーズ作品を制作。ウカシュ・スロヴィエツと笹岡由梨子は共同でワークショップを日本・ポーランド両国で実施する予定だ。

© 川田知志 + Stachu Szumski

© 川田知志 + Stachu Szumski

日程は5月18日から6月23日まで、京都では京都芸術センターや世界遺産の二条城など京都市内の4カ所の会場にて開催される。会期中は、出展作家のパフォーマンスや講演といったイベントが多く予定されているので、こちらでチェックしておきたい。5月30日からは、ポーランドのポズナン(ポーランド西部)、シチェチン(ポーランド北西部)にて開催される。これだけの作家が集まった展示会は京都でも、ポーランドでも見逃せない。ぜひこの貴重な機会をお見逃しなく!

Piotr Bujak 《花火》2019 © Piotr Bujak

Piotr Bujak 《花火》2019 © Piotr Bujak

 

セレブレーション-日本ポーランド現代美術展-
会期:2019年5月18日~6月23日
料金:無料

京都芸術センター
所在地:京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2
開館時間:10:00~18:00(ギャラリー北・南 ~20:00)
休廊日:5月29日、6月12日(ギャラリー北・南は無休)

 ■ロームシアター京都
所在地:左京区岡崎最勝寺町13
開館時間:10:00~19:00
休廊日:5月29日、6月3日、6月12日

■ザ ターミナル キョウト
所在地:下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町424
開館時間:10:00~18:00
休館日:無休

 ■二条城特別展示
日時:日時:2019年5月18日、19日、22日~26日 8:45~17:00(入城は閉館の1時間前まで)
会場:世界遺産・二条城
所在地:京都市中京区二条通堀川西入二条城町 541
料金:無料(要入城料)

キューレーター/ Curator
加須屋明子(Akiko Kasuya)
パヴェウ・パフチャレク(Paweł Pachciarek)

出展作家 / Artists  from Japan
contact Gonzo|コンタクトゴンゾ
東影智裕|Tomohiro Higashikage
hyslom|ヒスロム
今村遼佑|Ryosuke Imamura
石橋義正|Yoshimasa Ishibashi  + 安藤英由樹|Hideyuki Ando
川田知志|Satoshi Kawata
小泉明郎|Meiro Koizumi
松田壯統|Masanori Matsuda
岡本光博|OKAMOTO Mitsuhiro
笹岡由梨子|Yuriko Sasaoka
谷中佑輔|YuskeTaninaka
山本麻紀子|Makiko Yamamoto

出展作家 / Artists  from Poland
カロリナ・ブレグワ | Karolina Breguła 
アグニェシュカ・ブジェジャンスカ | Agnieszka Brzeżańska
ピョトル・ブヤク | Piotr Bujak
ダニエル・コニウシュ|Daniel Koniusz
ロベルト・クシミロフスキ | Robert Kuśmirowski
マリア・ロボダ | Maria Loboda
アリツィア・ロガルスカ | Alicja Rogalska
ウーカシュ・スロヴィエツ| Łukasz Surowiec
スタフ・シュムスキ | Stachu Szumski

主催:アダム・ミツキェヴィチ・インスティテュート、京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化 協会)、ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団) 共催:京都市、京都市立芸術大学
助成:野村財団 協賛:Melody Tours
協力:文化庁地域創生本部、The Terminal Kyoto、ポーランド広報文化センター、Ujazdowski Castle Centre for Contemporary Art、Paradise AIR 、Avent Art Festival、東山 アーティスツ・プレイスメント・ サービス(HAPS)
後援:NPO 法人フォーラム・ポーランド組織委員会、日本ポーランド協会関西センター プロジェクトパートナー:University of the Arts Poznan、TRAFO Center for Contemporary Art


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名作から新作まで、ポーランド映画を堪能する2週間「ポーランド映画祭2018」開催!

7年目を迎えるポーランド映画祭。今年は11月10日(土)から2週間に渡り東京都写真美術館ホールで開催される。ポーランド独立回復100 周年を記念したプログラムや、国内外で活躍するポーランドの女性監督の特集、日本初公開を含む最新のポーランド映画や、ロマン・ポランスキー監督の85歳を記念した上映するなど今年も豊富なラインナップになっている。

top photo:『水の中のナイフ』©2013 Euro London Films, Ltd. All Rights Reserved.

ポーランド映画の最前線

ポーランド本国でも話題となった最新作を紹介する《ポーリッシュ・シネマ・ナウ!》では”キュリー夫人”の波乱万丈の人生を映画化したやポーランドのアカデミー賞ともいわれる、ポーランド映画賞で作品賞、主演男優賞などを受賞した話題作『クリスマスの夜に』(ピオトル・ドマレフスキ監督/2017)などが日本初公開。来年2019年に日本公開が決定している『メモリーズ・オブ・サマー』(アダム・グジンスキ監督/2016)は、12歳の少年が大人への階段をのぼる思春期の過程での一瞬の季節を瑞々しいタッチで描いた傑作。

『ラブ・エクスプレス ヴァレリアン・ボロフチクについて』(クバ・ミクルダ監督/2018年)©2018 CoLab Pictures - HBO Europe s.r.o. - Insytut Adama Mickiewicza - Maagiline Masin - Otter Films

『ラブ・エクスプレス ヴァレリアン・ボロフチクについて』(クバ・ミクルダ監督/2018年)©2018 CoLab Pictures – HBO Europe s.r.o. – Insytut Adama Mickiewicza – Maagiline Masin – Otter Films

 今年ポーランド国内で公開されたばかりの『ラブ・エクスプレス ヴァレリアン・ボロフチクについて』(クバ・ミクルダ監督/2018年)も日本初公開される。20世紀の最も破綻したポーランド人アーティストの一人ともいわれる、ポーランド映画監督ヴァレリアン・ボロフチク監督(1923年ー2006年)のドキュメンタリー映画。ワルシャワでポスターデザインや実験的な短編映画を手がけた後、パリへ移住、アニメーションの世界で国際的な成功を得た後はポルノグラフィーの美学を追求し、エロティック映画を制作し続けた。

名作映画から見るポーランド史

『夜と昼』(イエジー・アントチャック監督/1975)©Studio Filmowe KADR

『夜と昼』(イエジー・アントチャック監督/1975)©Studio Filmowe KADR


 第一次世界大戦後の1918年11月11日、ポーランドは近隣諸国による支配から独立を回復して今年で100周年。歴史に翻弄されながらも、不屈の国ともいわれるポーランドの歴史を名作映画7作品でより深めてみたい。注目は日本初公開となる『夜と昼』(イエジー・アントチャック監督/1975)。歴史に翻弄された家族を通しながら第一次世界大戦の始まりから終わりまでの50年間を壮大なスケールで描いている。

『ヴォウィン 』(ヴォイチェフ・スマジョフスキ監督/2016)

『ヴォウィン 』(ヴォイチェフ・スマジョフスキ監督/2016)

日本初公開となる『ヴォウィン 』(ヴォイチェフ・スマジョフスキ監督/2016)。ウクライナ人、ポーランド人、ロシア人、ユダヤ人が共生していた地域ヴィウィン(現在はウクライナに位置する)で起こった民族相互の大虐殺は第二次世界大戦の最大の悲劇とも言われた。現在世界でも民族主義へと傾むいていくなかで改めて疑問を投げかける問題作となっている。またポーランド映画を代表する傑作『灰とダイヤモンド』(アンジェイ・ワイダ監督/1958年)や世界中で絶賛を浴びた『戦場のピアニスト』(ロマン・ポランスキー監督/2002)といった名作もデジタル・リマスター版で上映される。

ポーランドの女性監督たち

 昨年、今年とベルリン国際映画祭でポーランド人女性監督たちが銀熊賞を連続受賞するなど国内外で評価をよぶ女性監督作品を特集。日本初公開となるのは、短編を含む4作品。『顔』(マウゴジャタ・シュモフスカ監督/2017)は第68回ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞した、アイデンティティの喪失を激しい音楽とともに描いた意欲作。

『ポコットー動物たちの復讐』(アグニェシュカ・ホランドと娘のカシャ・アダミックの共同監督作/2017)©Robert Palka/Studio FIlmowe Tor

『ポコットー動物たちの復讐』(アグニェシュカ・ホランドと娘のカシャ・アダミックの共同監督作/2017)©Robert Palka/Studio FIlmowe Tor

『ポコットー動物たちの復讐』は昨年銀熊賞を受賞したアグニェシュカ・ホランドと娘のカシャ・アダミックの共同監督作。小さな村での連続殺人事件、野生動物、狩人…ポーランドの女流作家オルガ・トカルチュクの小説が原作となる本作は国内外からの評価が高いにもかかわらずポーランド国内の右派団体から反キリスト要素があると抗議をうけた問題作。

11月14日(水)19:00と、11月17日(土)17:15にはポーランドの若手女性監督の3つの短篇作品が3作品同時上映される。

また11月はポーランド文化を身近に感じられるフェアが都内各所で開催中。音楽イベント<ポーランド音楽を知る会>やポーランド・ブックフェア等ぜひこの時期をお見逃しなく。ポーランド映画祭2018の予告映像はこちらから

 :ポーランド映画祭2018
監修/イエジー・スコリモフスキ監督
会期:2018年11月10日(土)から11月23日(金・祝)
会場:東京都写真美術館ホール
(11月12日(月)、11月19日(月)は休館のため上映なし)
当日料金:一般 ¥1,500 /シニア ¥1,100、
大学・高校・中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方 ¥1,000

http://www.polandfilmfes.com/


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コンセプチュアルな静物写真:パヴェウ・ジャック(Paweł Żak)の個展が京都で開催中!

ポーランドの現代写真家、パヴェウ・ジャック(Paweł Żak)の個展「And Other Still Lifes…」がイムラアートギャラリー(京都府・川端丸太町)にて開催中。本展は、ワルシャワ・ライカギャラリー(Leica 6×7 Gallery Warszawa)がパートナーとなり、4月14日から5月13日まで開催される「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のサテライトイベント<KG+2018>にも参加している。

And other still lifes series / Paweł Żak

And other still lifes series / Paweł Żak

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『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』:ワルシャワ動物園の知られざる実話

人間は危機に瀕したときほど品性が見えるものだ。自らの命の危険を顧みず、他人の命を救おうとする行為はとりわけ廉潔で称賛に値する。ポーランドに関わる人物では、オスカー・シンドラーや杉原千畝が思い浮かぶ。 続きを読む


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今村遼佑「くちなしとジャスミンのあいだに」

現代美術作家の今村遼佑さんは2016年夏から1年間、ポーラ美術振興財団の助成を受けてワルシャワに滞在。滞在中は国際的に活躍するポーランド作家のミロウワフ・バウカ(Mirosław Bałka)のゼミに通いグループ展に参加したり、ワルシャワ美術アカデミーの学生とのワークショップや、Arman Galstyan Galleryで二人展を行うなどしてきた。 続きを読む


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名作から新作まで。今年も注目作が勢ぞろい「ポーランド映画祭2017」開催!

6年目を迎えるポーランド映画祭。今年は開催場所が東京都写真美術館ホールになり、巨匠たちの傑作から若手作家の最新作まで映画祭史上最大の作品数となり魅力的なラインナップが揃っています。 続きを読む


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日本初・ロマン・チェシレヴィチの作品を一挙公開<鏡像への狂気>ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ポーランドを代表するグラフィックデザイナー、ロマン・チェシレヴィチ(Roman Cieślewicz)。前衛的なグラフィックデザインの世界を切り開き、21世紀への引き金になった実験精神あふれる作品を一挙公開する<ロマン・チェシレヴィチ 鏡像への狂気>が5月15日(月)よりギンザ・グラフィック・ギャラリーにて開催される。 続きを読む