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コンセプチュアルな静物写真:パヴェウ・ジャック(Paweł Żak)の個展が京都で開催中!

ポーランドの現代写真家、パヴェウ・ジャック(Paweł Żak)の個展「And Other Still Lifes…」がイムラアートギャラリー(京都府・川端丸太町)にて開催中。本展は、ワルシャワ・ライカギャラリー(Leica 6×7 Gallery Warszawa)がパートナーとなり、4月14日から5月13日まで開催される「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のサテライトイベント<KG+2018>にも参加している。

And other still lifes series / Paweł Żak

And other still lifes series / Paweł Żak

中世のオランダの絵画の時代からポール・セザンヌといった近代絵画の巨匠まで多くの芸術家に影響を与えてきた静止した自然物、Still Life (静物画)というジャンル。現代静物写真のマスターともいわれる、パヴェウ・ジャックのStill Lifeシリーズでは、日常的なありふれたモノが細心の注意をもって白いテーブルクロスに配置され、またそこにある空間は重要な意味をもつ。

And other still lifes series / Paweł Żak

And other still lifes series / Paweł Żak

 写真は実物に近いスケールプリントされ、描かれた現実を観察することを可能にする。一連の作品では、日常のなかで見過ごしていたもの、一見すると静的に見えるなか、それぞれの物体がもつエネルギーを感じることができる。

「And Other Still Lifes…」パヴェウ・ジャック(Paweł Żak)
会期:2018年4月13日(金) ー 5月11日(金) 12:00-18:00   月曜・日曜・祝日は休廊
会場 イムラアートギャラリー
所在地:京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31 
キュレーター:Yuki Baumgarten
パートナー:Leica 6×7 Gallery Warszawa

 Paweł Żak パヴェウ・ジャック:1965年ワルシャワ生まれ。 ワルシャワ大学の社会科学部で学んだ後、ポズナンの美術アカデミーでマルチメディアコミュニケーション学部卒業。90年代初頭、Andrzej Zygmuntowiczのアシスタントを経て、広告写真を学ぶ。1988年にスイスにおける欧州写真コンクールにてグランプリを受賞した後、より芸術写真としてのシリーズを展開、現代までにポーランド国内のほか、欧州各国にて個展が開催されている。作品の一部はワルシャワ国立博物館、ワルシャワ現代美術センター、パリ国立図書館、ウッチ美術館等に所蔵されている。ポーランド芸術写真家協会(ZPAF))会員。more info


©2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.

『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』:ワルシャワ動物園の知られざる実話

人間は危機に瀕したときほど品性が見えるものだ。自らの命の危険を顧みず、他人の命を救おうとする行為はとりわけ廉潔で称賛に値する。ポーランドに関わる人物では、オスカー・シンドラーや杉原千畝が思い浮かぶ。正義感、人道意識、人類愛など彼らの行為を表現できる言葉はいくらでも浮かぶが、きっともっとも深いところで彼らに共通しているのは、共感力だろう。きっと、世界各地で分断や対立が激化する今の時代に最も必要なのは、自分と全く違う考え、異なる文化背景を持つ人の気持ちを想像することなのだ。

 ゲットーから約300名もの命を救い、ワルシャワ動物園に匿う

実は、ドイツ占領下のワルシャワにも、勇気ある行動で多くの人命を救った人々がいたという。映画『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』は、第二次世界大戦中にゲットーから約300人を救い出し、自らの敷地であるワルシャワ動物園内に匿っていたというヤンとアントニーナのジャピンスカ夫婦の実話がベースになっている。

©2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.

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主演のジェシカ・チャステインは「アントニーナはありきたりの女性だった。でも、彼女は人の予想を超えて、見知らぬ人達に扉を開けた」と語っているが、そこにこそ本作が紡ぎ出す大きな希望がある。彼女たちが行ったことは誰にでもできることではない。だが、心に従い行動することができる人は確かにいるということを感じさせてくれるのだ。世界は今、とても混乱している。だが、それでもこの世の中は捨てたものじゃないと気づかせるメッセージが感じられるのだ。

©2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.

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もちろん戦時中の物語だけに、人間が犯す大きな罪を示唆する表現もある。ただそれ以上に、人が危機的状況においても、見ず知らずの他人に対してさえ、勇敢で、愛情深くいられるかを強調しているところが印象的だ。人が人の命を奪う狂気があふれるさなかですら、自己を失わず凛と生きた人間たちの姿を見ていると、人を人たらしめているもの、そしてそれが放つ確かな光を感じることができる。

 愛・思いやり・他者への共感を力にして平和的に戦う女性たち

そして、本作には大きな意義がもうひとつ。それは女性たちの強さ、勇気、愛を描いていることだ。これは、一人の女性の成長物語でもある。何事もなかった時には、夫に従うことで何不自由なく暮らしてきた妻が、自らの強い意志で決断する必要に迫られることで、人間としての強さを花開かせていくのだ。舞台となった1930年代当時は、女性の地位は決して高くはなかった。そんな時代にも力を発揮した女性がいることは、現代においてもなお差別や虐待で不自由な思いをしている人々への力強いメッセージとなるだろう。

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この映画が生まれたハリウッドは今、セクシャル・ハラスメント問題に揺れている。これまで重大な問題を見て見ぬふりをしてきた代償は大きく、アメリカ全土を巻き込み、今や世界に影響が広がりつつある。被害者たちが団結し声を上げることを可能にしたのは、「#MeToo」のムーブメントでも知られるようにSNSだ。男性たち、権力者たちの多くが暴力で人をねじ伏せてきたのに対し、女性を主とする被害者たちは言葉と団結、他者への共感を力にして平和的に戦いを始めた。この映画ではアントニーナが、女性には女性ならではの戦い方があるということを教えてくれている。それは誰もが、自分らしく強くなることはできると教えてくれており、まさに今日にも繫がる普遍的なテーマなのだ。ジェシカはこうも言っている。「彼女は愛と思いやりをツールにして戦ったの」。命を生み出す性である女性ならではの母性的発想が、この世界には必要なのかもしれない。

©2017 ZOOKEEPER’S WIFE LP. ALL RIGHTS RESERVED.

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先日、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロがインタビューでこう語っていた。「小説とは、感情を共有することだ」と。きっと、映画も同じ力を持っている。本作を観ていると、そう確信することができる。そして、私たちはどこまで他者を思いやる気持ちを持てるのだろうかと。それを探るためにも、アントニーナが導く“共感”と“愛”の旅へ、あなたも出てかけてみてはいかがだろうか。text : June Makiguchi

:牧口じゅん(June Makiguchi)
映画ライター。共同通信社、映画祭事務局、雑誌編集を経て独立。ファッションや食、旅、音楽などライフスタイルにまつわる話題を盛り込んだ映画コラム、インタビュー記事を女性誌、男性誌、WEBマガジンにて執筆中。

『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』
http://zookeepers-wife.jp/
2017年12月15日(金)より、TOHO シネマズ みゆき座ほかにて公開
監督:ニキ・カーロ
脚本:アンジェラ・ワークマン
出演:ジェシカ・チャステイン、ヨハン・ヘルデンベルグ、マイケル・マケルハットン、ダニエル・ブリュール
原題:The Zookeeper’s Wife

:ヤンとアントニーナのジャピンスカ夫婦が暮らした家(ヴィラ ジャピンスキ Willa Żabińskich)は現在でもワルシャワ動物園の敷地にあり、博物館として公開されている。通常は予約してガイド付きで見学が可能。毎月第一日曜の11時と13時は予約なしで訪問することができる。詳細は、ワルシャワ動物園の公式サイト内(英語あり)のTHE VILLAへ http://zoo.waw.pl/en/


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今村遼佑「くちなしとジャスミンのあいだに」

現代美術作家の今村遼佑さんは2016年夏から1年間、ポーラ美術振興財団の助成を受けてワルシャワに滞在。滞在中は国際的に活躍するポーランド作家のミロウワフ・バウカ(Mirosław Bałka)のゼミに通いグループ展に参加したり、ワルシャワ美術アカデミーの学生とのワークショップや、Arman Galstyan Galleryで二人展を行うなどしてきた。 続きを読む


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名作から新作まで。今年も注目作が勢ぞろい「ポーランド映画祭2017」開催!

6年目を迎えるポーランド映画祭。今年は開催場所が東京都写真美術館ホールになり、巨匠たちの傑作から若手作家の最新作まで映画祭史上最大の作品数となり魅力的なラインナップが揃っています。 続きを読む


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日本初・ロマン・チェシレヴィチの作品を一挙公開<鏡像への狂気>ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ポーランドを代表するグラフィックデザイナー、ロマン・チェシレヴィチ(Roman Cieślewicz)。前衛的なグラフィックデザインの世界を切り開き、21世紀への引き金になった実験精神あふれる作品を一挙公開する<ロマン・チェシレヴィチ 鏡像への狂気>が5月15日(月)よりギンザ・グラフィック・ギャラリーにて開催される。 続きを読む


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追悼アンジェイ・ワイダ監督特集「ポーランド映画祭2016」開催!

先月、10月9日、“ポーランド映画の父”と呼ばれるアンジェイ・ワイダ監督の訃報が伝えられポーランド映画界のみならず、世界各国で深い悲しみにつつまれました。5年目を迎える「ポーランド映画祭2016」では急遽プログラムを変更、開催期間も1週間延長し、《追悼アンジェイ・ワイダ監督特集》としてアンジェイ・ワイダ監督の代表作10作品の上映と、監督の影響を受けて育った若手監督の最新作のあわせて17作品が上映されます。 続きを読む


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ワルシャワ発・グリナシュ スタジオ(Grynasz Studio )による 職人×デザイナー Elements展 Tokyo Design Week 2016

東京デザインウィークのメインテント・Creative Life内にてポーランドのデザインスタジオによる展示会、《”Elements”  an exhibition of Grynasz Studio design》が11月2日~7日まで開催されます。 続きを読む


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Interview:『イレブン・ミニッツ』イエジー・スコリモフスキ(Jerzy Skolimowski)監督

役を得るためにセクハラまがいの監督に会いに行く女優と、彼女を引き留める嫉妬深い夫。若い娘を相手に問題を起こし、刑務所から出所したばかりの父親と、結婚間近の薬物中毒の息子。質屋強盗をもくろみ、失敗した少年。川沿いで絵を描く老人。その多くが空に目撃した、謎の黒い点の正体は……。 続きを読む