カテゴリー別アーカイブ: ART & DESIGN

ペットボトルのジャングルが見せてくれる夢 re4rest (リフォレスト)

リサイクルゴミとして捨てられていくペットボトルやプラスチック容器をつかい熱帯雨林に生息する植物たちを見事なまでに再現。ポーランド人アーティスト、カリーナ・クロラック(Karina Królak)と、パトリツィア・スミルノフ(Patrycja Smirnow)による「re4rest(リフォレスト)」プロジェクトでは使い捨てのペットボトルが新しい種となり、エネルギー与えてくれるオブジェに生まれ変わりました。

写真左からパトリツィア・スミルノフ(Patrycja Smirnow)と、カリーナ・クロラック(Karina Królak)

写真左からパトリツィア・スミルノフ(Patrycja Smirnow)と、カリーナ・クロラック(Karina Królak)

今年の初めにスタートした「re4rest(リフォレスト)」プロジェクト。スタジオいっぱいに集められたペットボトルやプラスチック容器。実在する熱帯雨林の植物を忠実に再現するため、植物図鑑等を参考にしたという。

色をつけるときは環境に優しいエコスプレーのみを使用し、ハサミで切ったり、ハンダゴテで接着したりともちろん全て手作業。気の遠くなるほどの時間と労力を使って作り出されただけあって、出来上がったジャングルを見たときはあまりの美しさと迫力にドキドキしてしまうほど。

 ジュエリーアーティストでもある彼女たちは、今までにもリサイクルを取り入れたコンセプチュアルジュエリーを提案してきたこともあり、環境問題はもちろん、日常生活においても様々なボランティア活動にも取り組んでいて、それらは自然と生活の一部になっています。ここでは特に商業伐採による森林破壊によって、失われていく熱帯の森たち。そして温暖化による珊瑚の減少や油汚染をうけた水鳥たちを作品のなかで表現しています。

 自然環境を支えてくれている植物の力。人間の活動によって失われていく地球の美しさは、意識を変えることでまた人間の活動によって取り戻せることができるはず。re4rest(リフォレスト)にふれることで、地球上のすべての生き物にたいする思いを見直すきっかけにもなるかもしれません。

6月にPolana Institute開催された"Married to the Nature"にも出展。

6月にPolana Institute開催された”Married to the Nature”にも出展。

制作されたオブジェは販売したり、また学校、文化機関、博物館、ギャラリー、企業への貸し出しもしています。ペットボトルを使ったワークショップも開催するなか、re4rest(リフォレスト)プロジェクトは引き続きこれからも続いていきます。

more info:
Pracownia nr.13
https://www.facebook.com/Pracownia-nr13-160458134004699/

関連リンク>>>
Karina Krølak カリーナ クロラックのジュエリーでもっと自由に


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パヴェウ・ヤシュチュク Paweł Jaszczuk <¥€$U$(ジーザス)>

パヴェウ・ヤシュチュク Paweł Jaszczuk:ワルシャワ出身。オーストラリア・シドニー留学を経て、2004年ー2012年まで日本に滞在、現在はワルシャワ在住。東京での一連の活動は「Salaryman」(モレルブックス/イギリス)、「Kinky City」(Dienacht Publishing/ドイツ)、「Everything you do is a balloon」(Lieutenant Willsdorff出版/フランス)で見ることができます。

故郷に戻ってからの新しいシリーズ<¥€$U$(ジーザス)>では最も”ポーランド”なテーマ=イエス・キリストに取り組みました。カトリック国家ともいえるポーランドは国民の90%以上がカトリック教徒といわれています。しかし、このシリーズで宗教観を問いているのではありません。

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偶然見つけた十字のポケットナイフが最初の一連のシリーズ作成のインスピレーションのきっかけに。

宗教的なシンボルを施した様々なアイテム。そこには、精神的に商業が混在し「¥€$U$」というタイトルで完全に表現されています。パヴェウは、数年間かけて世界中のeBay、Etsyや他オンラインショップを通じて、これらのアイテムを購入しました。現代のポップカルチャーにおけるキリストを表現することで、積極的な資本主義の時代に「神聖なアイコン」の意味する疑問を提起。世界における宗教と資本主義の超現実的な結婚ーシュールな世界をつくりだします。

現在ワルシャワのライカギャラリーにて個展「¥€$U$」が2017年12月3日まで開催中です。

Paweł Jaszczuk「¥€$U$
開催期間:2017年10月28日〜12月3日(月〜土10:00-20:00 / 日12:00-18:00)
Leica 6×7 Gallery Warsaw 
Mysia 3 Street, 2nd floor
入場無料

more info http://paweljaszczuk.com
http://warsaw.leica-gallery.pl


photo by Monika Magdalena Zając

ポーランド南部・カトヴィチェ、建築デザインスポット8選

 ポーランドを代表する工業地域としても知られるポーランド南部のカトヴィチェ(Katowice)。かつては炭鉱の街として発展してきたことで、戦後の環境汚染が深刻な問題になったことも。その後、石炭の使用減少や公害の原因となる工場が閉鎖していくなかで徐々に改善。現在では観光都市・文化都市として進化しています。

高速列車ペンドリーノ(EIP)を利用すれば、ワルシャワからは約2時間半。カ トヴィチェの魅力のひとつが新旧の建築群です。EU資金の恩恵によりポーランド全土に文化施設が建てられているなか、カトヴィチェでも建築ラッシュが続きました。ここではバウハウス型モダニズム建築から現代建築まで、おすすめの建築スポット8つご紹介します。top photo by Monika Magdalena Zając

01 カトヴィチェ国際会議センター(Katowice International Conference Centre/ ICC)

photos via http://jems.pl/

ワルシャワを拠点とする建築家集団 JEMSによって2015年に建てられたカトヴィチェ国際会議センター(ICC)。傾斜面、屋根、階段、テラスは緑色で覆われています。自然とアバンギャルドを結びつけ、重工業で発展してきたカトヴィチェのイメージを柔らかく、未来を見下ろす新しい建築景観が生み出されました。 http://www.mckkatowice.pl/en/
所在地:plac Sławika i Antalla 1, 40-166 Katowice

02 シレジア美術館(Silesian Museum Katowice)

photo by Silesian Museum Katowice

1929年に設立されたシレジア美術館。戦後1986年に修復され、2007年より新館を建設プロジェクトが開始、2015年に完成。1999年に閉鎖された炭鉱の跡地に建設され、かつてのポストインダストリアルの風景を損なわないよう、建物はガラスキューブの構成のみ、代わりに地下13メートルまでの展示スペースがつくられました。鉱山シャフトのタワーのシルエットはシレジアの風景の特徴的なシンボル。
https://muzeumslaskie.pl/pl/
所在地:Tadeusza Dobrowolskiego, Katowice, Poland

03 スポデク(Spodek)

photo by Spodek

UFOのような形状から、フライングソーサー(空飛ぶ円盤)を指す<Spodek>(ポーランド語でソーサーを意味する)とつけられた多目的アリーナ複合施設。建築は1964年から始まり1971年に完成。カトヴィチェの象徴的な存在でもある建物です。
http://www.spodekkatowice.pl/
所在地:Spodek, aleja Korfantego 35, 40-005 Katowice

 04 ポーランド国立放送交響楽団(National Polish Radio Symphony Orchestra)

ポーランド国立放送交響楽団 photo by National Polish Radio Symphony Orchestra

ポーランド南部シレジア地方出身の建築家Tomasz Koniorによって2014年に完成。シレジアの伝統的な建築に由来した赤いレンガで覆われたオブジェクト。またこの形状により、優れた音響を備えた建物の中心にあるグランドコンサートホールは、建物の内にある建物として機能し、外部からの音は届かなくなります。
http://www.nospr.org.pl/en/
所在地:plac Wojciecha Kilara 1, 40-202 Katowice

05 スーパーユニット (Superjednostka・Superunit)

インディペンデント出版社Zupagrafikaから発売されている戦後モダニズム建築ペーパーカットコレクションより

世界で初めての巨大住宅建築といえば、ル・コルビュジエ(Le Corbusier)の作品のひとつユニテ・ダビタシオン(Unité d’Habitation)。60年代のポーランドにおいても多くの影響をあたえました。このポーランド最大のアパートメントはこのアイデアを拝借し建設は1967年にはじまり、1972年に完成。長さ187.5メートル、地上15メートル、地下200軒のガレージ。 762のアパートでは最大3千人まで住むことができます。

 ワイダスタジオにて制作されたショートフィルム<Superunit>


所在地:aleja Korfantego 24, 40-001 Katowice

06 CINiBA(Information Centre and Academic Library )

photo by Jakub Certowicz / CINiBA

ここでも使用されているシレジア地方特有の工場用の赤レンガ。ワルシャワのHS99スタジオによって2011年に建てられました。幾何学的に配置された4000もの垂直な窓により、昼光と夕暮れ後では異なる印象を与えます。
http://www.ciniba.edu.pl
所在地:Bankowa 11, Katowice, Poland

07 住宅地 Osiedle Tysiąclecia

中心地にそびえ立つトウモロコシ型のビル photo by Monika Magdalena Zając

 カトヴィチェの北西部にあるポーランド最大の集落。ポーランドの建築家であり都市計画者でもある著名なヘンリク・バススコ(Henryk Buszko)も開発チームの重要なひとりであり、最も有名な作品のひとつ。この大規模な開発は50年代後半から行われ、その中心地には80年代後半に建築されたトウモロコシ型のブロックビルが並ぶ。この開発地域にはカトヴィチェの人口の8%が住んでいるといわれています。
所在地:Osiedle Tysiąclecia

 08ーカトヴィチェの歴史地区 Nikiszowiec

photo by Monika Magdalena Zając

photo by Monika Magdalena Zając

カトヴィチェ南に位置するかつての鉱業地帯。1910年に炭鉱の労働者とその人々の家族のため、伝統的な建築様式に基づいて建てられた、レンガ造りの住宅地。2000年初期には、軽犯罪が起こるような少し危険な地域でしたが、2011年に歴史的モニュメントとして認められました。そして、いまでは古い街なみに魅了されたアーティストが集まりだし、多くの文化イベントが行われ、当時の面影を残しながら歴史を体感できるとして、観光客があつまるようになっています。

所在地:40-423 Nikiszowiec, Katowice, Poland


ボレスワヴィエツ陶器のリズム

日本でも人気の高いポーリッシュポタリー。ポーランド南西部の陶磁器の街<ボレスワヴィエツ(Bolesławiec)>でのセラミック生産は2世紀にわたって続いています。ボレスワヴィエツ陶器のマニュファクトラ社(Manufaktura Boleslawiec)とワルシャワとクラクフの間にある街、ケルチェのデザイン研究所(Instytut Dizajnu w Kielcach)が主催した展覧会<Akord. Praca, precyzja, produkt ・コード(和音)。仕事、精密、製品>がウッチデザインフェスティバル2017(10月3日~8日)にて開催されました。

展覧会のタイトルにある、コード、あるいは和音、とは異なる高さの音の重なりのこと。ボレスワヴィエツ陶器の生産に関わるー特に装飾に関わる人々に焦点をあてています。

Decoration/装飾について。106人の従業員が、1日あたり約40〜50個の装飾をする。1個のカップの装飾にかかる時間はベーシックな模様で約10分、ユニークなパターンは約20分。

Decoration/装飾について。106人の従業員が、1日あたり約40〜50個の装飾をする。1個のカップの装飾にかかる時間はベーシックな模様で約10分、ユニークなパターンは約20分。

複雑なセラミックス技術、装飾プロセス、そして最終的に完成したプロダクト、これらの工程のすべての重なりを視覚的に私たちに提示します。

ボレスワヴィエツ陶器の特徴でもある模様の多くは伝統的なスタンプ技術を用いて手作業で絵付けされています。バルト海の海綿スポンジの動きや痕跡はすべてカウントされ、固定パターンを従順に貫きながらリズミカルに装飾されていきます。

Mozaika

壁一面に陶器でコラージュされたUrsula Dudekによるモザイク

繰り返しのジェスチャーの結果でもある”リズム”。自動的に行われる手作業と機械的作業との間の境界とはなんだろう、と間接的に私たちに問いかけます。

 :Akord. Praca, precyzja, produkt
キュレーター:マルタ・ダホヴスカ(Marta Dachowska)、マグダ・ガズル( Magda Gazur)

関連記事リンク:
ルネッサンス! 一味違うボレスワヴィエツ陶器を求めているひとへ

伝統工芸の新たな一歩「ポーランドのテーブル(Polski Stół )」


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ヴェロニカ・ゲンシツカ WERONIKA GĘSICKA

ヴェロニカ・ゲンシツカ WERONIKA GĘSICKA:1984年ヴウォツワヴェク(Włocławek)出身。ワルシャワ在住。写真家・アーティスト。ヴェロニカはワルシャワの芸術アカデミーのグラフィックを専攻し、同時にワルシャワの写真アカデミーを卒業。

<Traces /痕跡>シリーズでは、1950年から60年代にかけてのアメリカの匿名のアーカイブ写真を歪ませることによって超現実的で不安定なイメージをつくりだした。

写真はどのように過去を操作するのか、過去から物事を知覚する方法と、これらの記憶が時間とともにどのように進化するのかに焦点をあてている。匿名のストック写真に注目し、歴史が現在と混じり合うことで再解釈する。タイトルの<Traces /痕跡>とは「何かが存在した、もしくは起こったことを示すあとー兆候」。この痕跡は、作品の基礎となったアーカイブ写真であり、もう一方で、これらの写真を改ざんすることで彼女が残す痕跡でもある。

Tracesシリーズの一番最初の作品。女の子が男の子の肩の上に座りることで女の子をより支配的にすることで、新しい意味を与えた。all images / WERONIKA GĘSICKA

Tracesシリーズの一番最初の作品。女の子が男の子の肩の上に座り、男の子の顔はけされることで、女の子がより支配的な存在になり新しい意味を与えている。all images / WERONIKA GĘSICKA


半世紀前のアーカイブ写真をみると、完璧な家族やカップルの写真を見ることができる。たとえば、男性は仕事から戻り、ディナーはすでに用意され、子供たちは礼儀正しく、家庭での女性は完璧に見える。彼女はそのイメージを意図的に台無しにし、再編成することでステレオタイプを打破する。more info


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日本初・ロマン・チェシレヴィチの作品を一挙公開<鏡像への狂気>ギンザ・グラフィック・ギャラリー

ポーランドを代表するグラフィックデザイナー、ロマン・チェシレヴィチ(Roman Cieślewicz)。前衛的なグラフィックデザインの世界を切り開き、21世紀への引き金になった実験精神あふれる作品を一挙公開する<ロマン・チェシレヴィチ 鏡像への狂気>が5月15日(月)よりギンザ・グラフィック・ギャラリーにて開催される。 続きを読む