ポーランドのアーティスト、ヴォイチェフ・ファンゴル(Wojciech Fangor)の展覧会「FANGOR:Beyond the Visual Surface」がコスモポリタンのアパートの42階にて展示されている。
ヴォイチェフ・ファンゴル(1922ー2015)は、20世紀を代表する有名なポーランドのアーティストの一人。1953年の彼のポスターデザインは、ポーランドのポスタデザインの歴史の転換点とも考えられ、“Polish School of Posters” の創設者のひとりでもある。絵画、図画、グラフィック、彫刻、空間、環境など、多くの表現方法を使って革新的な作品を制作。ポーランドだけでなく世界の芸術の先駆け者でもあり、1970年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で個展を開催した最初のポーランド人のアーティストでもある。現在、ヴォイチェフの作品はポーランドで非常に人気があり、世界市場でのアートコレクターも大きな関心を寄せているという。(昨年、彼の作品のうち4作品の価格は100万PLNを超えた)
今回の展示されるのは、すべて現代美術のプライベートコレクションーJankilevitsch Collectionから1960年代から1970年代までの多彩な抽象的な円、波、アモルファスの形で作られた絵画が集められた。ハイエンドなアパートメント・コスモポリタンの42階のフロアはユニークなギャラリースペースとして提供され、会場では360度にワルシャワのパノラマ風景が見渡せる。そこにフレームなしで提示された作品は垂直に配置され、また観客とともに、背景と空間が相互に作用する。これは、1958年にヴォイチェフは世界初の空間インスタレーション “The Study of Space”を作成ー60年前にアーティストが取り上げたこの画期的な試みからインスピレーションを得ている。
ポーランドの現代写真家、パヴェウ・ジャック(Paweł Żak)の個展「And Other Still Lifes…」がイムラアートギャラリー(京都府・川端丸太町)にて開催中。本展は、ワルシャワ・ライカギャラリー(Leica 6×7 Gallery Warszawa)がパートナーとなり、4月14日から5月13日まで開催される「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のサテライトイベント<KG+2018>にも参加している。
ようやく春の陽気が感じられる季節になったポーランド。美術館やギャラリーで新たな展示がはじまるなか、4月7日からワルシャワで新たな試み、ギャラリー共有プロジェクト<Friend of a Friend(FOAF)>が始まった。ワルシャワ市内の8つの主要な現代アートギャラリーが展示スペースを無料で3週間解放、チェコ共和国、フランス、ドイツ、米国、スイス、イギリスから集まったギャラリーをホストする。
Sybren Renema, Discovery, 2017, digital print, 29 x 38 cm. Dürst Britt & Mayhew Gallery(LETO)
Brian Dario, Foam, 2018, gloves. Reserve Ames Gallery (Stereo)
<Friend of a Friend(FOAF)>は、2016年からロンドンで始まったギャラリー共同展示会「Condo」からインスパアされたもの。ホストとなるギャラリーは、展覧会を共同で企画したり、ギャラリースペースを割り当てることで、海外のギャラリーとスペースを共有する。 既存のギャラリー施設、そしてスタッフのリソース等を効率よく利用することでコストの削減も可能となる。
<Friend of a Friend(FOAF)>では、招待されたギャラリーは無料での参加となる。これは、ポーランドの国立文化機関「アダム・ミツキエヴィッチ・インスティチュート(IAM)」の協力によって実現されている。さらに、共同作業によって得られる実験的な展覧会により自国のアーティストと、国際的なアーティストとの対話による新たな可能性を生み出す環境を提案している。こういった試みはアーティストがワルシャワの近代美術館等のコレクションに参加する絶好の機会でもある。開催は4月28日まで。
12月15日、ワルシャワ国立美術館内に常設展示ギャラリー<Gallery of Polish Design>が新設。20世紀初頭から現在までの家具、織物、陶磁器、ガラス、家電製品などの応用芸術において最も重要で象徴的な作品とともに、人気のあるテレビやラジオのセットといった工業デザイン、子供のためのデザイン、民俗学的デザインのカテゴリーもあわせると約600点ものオブジェクトをみることができる。
ポーランドの芸術界全体に広がるデザインへのさまざまなアプローチとともに現代のデザインまでの軌跡をたどることができる<Gallery of Polish Design>。今なお愛されている最高のポーランドデザインに触れることのできるギャラリー、ワルシャワに訪れた時にはぜひ訪れてみてほしい。
ワルシャワ国立美術館 Muzeum Narodowe w Warszawie(MNW) http://www.mnw.art.pl/ 所在地:Aleje Jerozolimskie 3 00-001 Warszawa 営業時間:10:00~18:00(金曜のみ10:00~21:00) 定休日:月曜日 入場料:大人15 zł
パヴェウ・ヤシュチュク Paweł Jaszczuk:ワルシャワ出身。オーストラリア・シドニー留学を経て、2004年ー2012年まで日本に滞在、現在はワルシャワ在住。東京での一連の活動は「Salaryman」(モレルブックス/イギリス)、「Kinky City」(Dienacht Publishing/ドイツ)、「Everything you do is a balloon」(Lieutenant Willsdorff出版/フランス)で見ることができる。 続きを読む パヴェウ・ヤシュチュク Paweł Jaszczuk <¥€$U$(ジーザス)>→