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Aneta Grzeszykowska

生きたコラージュ<FOREIGN BODIES・異物>アネタ・グシェコフスカ、荒木経惟、エヴァ・コヤトゥコヴァ

ワルシャワのラスターギャラリーで、<FOREIGN BODIES>展が開催中。身体をまるでプラスチック素材のように必要に応じて、形成、整形し、変形し、歪ませるー現代の視覚文化。この展覧会では、様々な処置をほどこした女性の身体のイメージが展開される。

3人の作家の新作が主に展示され、ポーランドの現代美術家、アネタ・グシェコフスカ(Aneta Grzeszykowska)の「Beauty Mask(2017)」、アラーキーこと荒木経惟からは新作の「恋夢 愛無」(2018)と古いシリーズCosmosco(1993/1998)、チェコの現代美術家のエヴァ・コヤトゥコヴァ(Eva Koťátková)による「Unlear­ning the Body(2016)がセレクトされている。

アネタ・グシェコフスカ(Aneta Grzeszykowska)の「Beauty Mask(2017)」より

アネタ・グシェコフスカ(Aneta Grzeszykowska)の「Beauty Mask(2017)」より

それぞれの作家は全く異なる文化と芸術的流儀から生まれている。折しも、アラーキーは日本で告発騒動があったことが記憶に新しい。荒木経惟の私的な関係性の「私写真」は男性視点でのファンタジーと、男性の凝視された視線がみてとれる。アネタ・グシェコフスカは過去にも支配的な家父長制に挑戦する作品を制作してきているが、「Beauty Mask(2017)」ではアネタ自身が美容マスクを装着し、グロテスクなイメージをつくりだす。マスクの下に隠れた顔は明らかに変形することにとり、生理学的な特徴を失い再構築される。このマスク装着のプロセスにおいては極端な性的慣習、戦闘スポーツ、犯罪偽装とも結びついている。そして、女性の顔(身体)を破壊することで、男性の視線と女性の身体との関係を不安定にする。

荒木経惟・ラスターギャラリーにて

荒木経惟・ラスターギャラリーにて

そしてエヴァ・コヤトゥコヴァは解剖学に関する歴史的な書籍からサンプリングしコラージュ。主にドイツの整形外科医、Moritz Schreber(1808-1861)からインスピレーションを得て、社会的状況の規範的尺度を糾弾する。

エヴァ・コヤトゥコヴァ(Eva Koťátková)によるコラージュ

エヴァ・コヤトゥコヴァ(Eva Koťátková)によるコラージュ

この展覧会は、ゆがんだ鏡の原理を中心に構成しているという。アネタ・グシェコフスカと荒木経惟の対比はある意味とても挑発的で刺激的な企画。展覧会は8月4日まで開催中。

 ”FOREIGN BODIES”
Nobuyoshi Araki, Aneta Grzeszykowska, Eva Koťátková
会期:2018年5月26日~8月4日
火曜ー土曜日12:00~18:00
所在地:Raster Gallery 
ul. Wspólna 63, 00-687 Warszawa
www.rastergallery.com

 ::現在タカ・イシイギャラリー 東京では、荒木経惟 「恋夢 愛無」展が開催中。6×7フィルムで撮影したモノクローム写真を中心に、98点の新作を展示。6月23日(土)まで。


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<Friend of a Friend> ギャラリーを友好的に活用する新しいかたち。 8 Warsaw contemporary art galleries

ようやく春の陽気が感じられる季節になったポーランド。美術館やギャラリーで新たな展示がはじまるなか、4月7日からワルシャワで新たな試み、ギャラリー共有プロジェクト<Friend of a Friend(FOAF)>が始まった。ワルシャワ市内の8つの主要な現代アートギャラリーが展示スペースを無料で3週間解放、チェコ共和国、フランス、ドイツ、米国、スイス、イギリスから集まったギャラリーをホストする。

Florian Auer, Untitled (detail), 2018, digital print on transparent, pvc, led lights, 1.4 x 1.3 m. Kraupa-Tuskany Zeidler Gallery(Piktogram)

Florian Auer, Untitled (detail), 2018, digital print on transparent, pvc, led lights, 1.4 x 1.3 m. Kraupa-Tuskany Zeidler Gallery(Piktogram)

 アート作品はわたしたちに新たな視点や気づきを与えてくれるが、ギャラリー運営を続けるうえでは経済的な問題もある。ワルシャワでもここ数年ギャラリーが生まれては消えていくということも少なくない。また、少しでも世に広めたくとも、小・中ギャラリー、若手アーティストにとって、国際的なアートフェアへの出展だったりというのは予算の問題が大きなネックとなる。

<Friend of a Friend(FOAF)>は、2016年からロンドンで始まったギャラリー共同展示会「Condo」からインスパアされたもの。ホストとなるギャラリーは、展覧会を共同で企画したり、ギャラリースペースを割り当てることで、海外のギャラリーとスペースを共有する。 既存のギャラリー施設、そしてスタッフのリソース等を効率よく利用することでコストの削減も可能となる。

Jean-Marie Appiou, Zebu and Nutmeg, 2018, Aluminum, blown glass dimensions variable, Jan Kaps Gallery (Foksal Gallery Foundation)

<Friend of a Friend(FOAF)>では、招待されたギャラリーは無料での参加となる。これは、ポーランドの国立文化機関「アダム・ミツキエヴィッチ・インスティチュート(IAM)」の協力によって実現されている。さらに、共同作業によって得られる実験的な展覧会により自国のアーティストと、国際的なアーティストとの対話による新たな可能性を生み出す環境を提案している。こういった試みはアーティストがワルシャワの近代美術館等のコレクションに参加する絶好の機会でもある。開催は4月28日まで。

 Friend of a Friend
2018年4月7日から28日まで。

8つの参加ギャラリーはこちら
map of foaf

BWA Warszawa 
招待ギャラリー Antoine Levi (パリ/フランス) 、Hunt Kastner (プラハ/チェコ共和国)

Foksal Gallery Foundation 
招待ギャラリー ChertLüdde (ベルリン/ドイツ) and Jan Kaps (ケルン/ドイツ)

LETO Gallery 
招待ギャラリー Dürst Britt & Mayhew (デン・ハーグ/ドイツ)

Piktogram
招待ギャラリー Future (ベルリン・メキシコ), Lomex (ニューヨーク), and SVIT (プラハ)

Dawid Radziszewski 
招待ギャラリー Lucas Hirsch (デュッセルドルフ/ドイツ)

Raster 
招待ギャラリー Bernhard (チューリッヒ/スイス) and Ermes-Ermes (ウィーン/オーストリア)

Stereo   
招待ギャラリー Crèvecoeur (パリ) and Reserves Ames (ロサンゼルス)

Wschód 
招待ギャラリー Neue Alte Brücke (フランクフルト) and Union Pacific (ロンドン)