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イベントレポート:ポーランドについて私たちが知っている10の事柄

2日本で初めての個展を開催中のポーランドのアーティスト、モニカ・フレベック(Monika Chlebek)。5月17日には、来日した彼女を囲みながら、ギャラリーYUKI-SISにてイベント<ポーランドについて私たちが知っている10の事柄>が開催された。

久山宏一氏(左)と「ポーランド広報文化センター」のマルタ・カルシさん

久山宏一氏(左)と「ポーランド広報文化センター」のマルタ・カルシさん

ポーランド文化の第一人者とも言える久山宏一氏と、ポーランド大使館のポーランド広報文化センターを担当するマルタ・カルシさんによるトークセッションでは、あまり知られていないポーランドの魅力を知る絶好の機会となった。

ポーランドの地理や歴史、名物料理の紹介から、ショパンの話題へと続く。ショパンの生家は現在はミュージアムギャラリーになっているが、パリで亡くなった彼の心臓は、現在はワルシャワの聖十字教会の地下に納められているのだとか。また、ポーランドではショパンの曲はクラッシックの枠を越えて、ジャズやビッグバンド、ロックなどにアレンジされて楽しまれているとのこと。

続いて「ポーランド映画」の話題になると、来場者からも積極的な意見が飛び交い、日本での人気ぶりを伺わせた。現在ポーランドでは、国の文化事業の一貫として、映画制作に対して助成金が出るようになっており、アンジェイ・ワイダ、ロマン・ポランスキーらの巨匠監督の黄金時代に次ぐ程の盛り上がりをみせているそうだ。 ちなみに久山宏一氏が注目する映画監督は、パヴェウ・パヴリコフスキ監督による『イーダ』。日本では7月に公開が予定されている。

Monika Chlebekさん(左)とDawid Czyczさん

Monika Chlebekさん(左)とDawid Czyczさん

後半は、モニカ・フレベックさんと、彼女のパートナーで、アーティストでもあるDawid Czycz氏による「ポーランドのアートシーン」についてのセッション。

モニカさんの出身地であるクラクフは、優れたな芸術大学があり、中世の面影が残る美しい街はリラックスした空気が流れアーティスティックな街でもあり、ポーランドの京都ともいわれている。多くのカフェやギャラリーが点在し、アーティスト同士の交流も盛んだ。現在、クラクフ写真月間フェスティバル(Krakow Photomonth Festival 2014)が開催中でギャラリーや美術館では様々な企画展やワークショップが開かれ街中がアートに包まれているだろう。

ポーランド国内で人気の、アレクサンドラ・ヴァリシェフスカ(Aleksandra Waliszewska)や、日本での人気が高まっているヴィルヘルム・サスナル(Wilhelm Sasnal)などの作品がスライドにて紹介された。

イベントではポーランド産のワインやズブロッカ、オグルコヴァ(キュウリのスープ)などのポーランド料理が振る舞われ、終始リラックスムード。約3時間に渡ってポーランドの歴史から最新カルチャーまでを楽しめる充実のイベントとなった。

Monika Chlebek(モニカ・フレベック)の個展は、ギャラリー「YUKI-SIS」にて5月24日まで開催中なので、ぜひおでかけを。

text:katsuhiro takayanagi(TOKYO)

Monika Chlebek 個展
■会場:YUKI-SIS
 103-0023 東京都中央区日本橋本町3-2-12日本橋小楼202
■開催期間:2014年5月12日(土)〜24日(土) 
■開廊時間:火〜土 12:00-19:00(休廊:日、月、祭日)