過去・現在・未来へとつなぐ、写真考古学と現代アート「リビング・アーカイブス(Żywe archiwa)」

ポーランドの写真家、アーティストのコレクションの保管管理などを8年間続けている、写真考古学財団(Archaeology of Photography Foundation)によって開始された、写真の<アーカイブ>に焦点をあてたプロジェクト「Long Life for Photography」。ポーランドとノルウェーの写真の修復・復元や保存、アーキビスト、キュレーターやアーティストが集まり、過去の写真を維持しながら提示する新たなメソッドを模索し研究しています。

ヤコブと、パヴェウの作品は、アーカイブそのもののトピックに焦点をあて、ヤコブはノルウェーの都市、リレハンメルでのドキュメンタリー写真を含む3つの異なるコレクションを用いた。膨大な狂気ともいえる収集されたコレクションを目の前にして、その背後にあるルールを見つけようと試みた。パヴェウは、キュレーターやアーティストたちが古い写真に惹きつけられてコレクションする行動の背後にあるメカニズムを示している。

 この「Long Life for Photography」のプログラムの一環として「リビング・アーカイブス(Żywe archiwa)」と題された展覧会が文化科学宮殿のSala Kisielewskiegoにて開催されています。紙に印刷された文書や写真の保管・管理・データベース化された写真、または貯蔵室に眠っていた写真を表示するための新しい試みです。古くなってしまったメディアは誰かが整理しないといつの日か記憶とともに、失われてしまうもの。過去の写真を再考察することは現在を理解することにもつながります。

アネタは、ヴォイチェフ・ザメチニク(Wojciech Zamecznik)の作品を使用したコラージュのシリーズを用意。

 展覧会では4つの空間に仕切られ、4人のアーティストが写真考古学財団の蓄積された豊富なアーカイブを用いてそれぞれ解釈をもとに新たな視点による作品を展示。現代美術家ポーランドの現代美術のラスター世代を代表するひとり、アネタ・グシェコフスカ(Aneta Grzeszykowska)を筆頭に、現代美術家のドロタ・ブチコフスカ(Dorota Buczkowska)、建築写真家のヤコブ・チェルトヴィチ(Jakub Certowicz)、キュレーター、また写真コレクターでもあるパヴェウ・シェプルスキ(Paweł Szypulski)といった人選も興味深いものになっています。

ドロタはアーカイブの写真をグラフィックスで操作することによって、女性についての物語、狂気、そしてノルウェーの北の過酷な風景を作成。

 リビング・アーカイブス(Żywe archiwa):
期間:2016年4月28日~5月20日まで
開館時間:12:00 – 20:00
所在地:文化科学宮殿 Sala Kisielewskiego
Kisielewski’s Room, Palace of Culture and Science,
pl. Defilad 1, Warsaw

Archaeology of Photography Foundation